【第1回「推し、消ゆ。」】


おもしろい小説を探し出すのって難しい。

でもおもしろい小説が、読みたい。

そんなあなたのために、≪文豪コロシアム≫からプロの作家が作品を選出してご紹介します!

今回は2024年10月月間コロシアムより「推し、消ゆ。」をPickUP!


当月の1位に輝いた本作品。読み手の心をつかんだ魅力は何だったのでしょうか。まず目を引くのは簡潔でありながら読み手にダイレクトに伝わる地の文です。例えば「一息の呼吸すら苦しかったあの頃」という1文。これだけで主人公がどのような心境にあったのかしっかりと伝わってきます。


続いて目を引くのは巧妙な比喩表現です。

「幼い頃にお母さんが作ったくれた乳粥のよう」

「ジャンクフードのようなテンプレート」

「袋のデザインだけが次々と変わるポテトチップスのよう」

など、身近ながらなかなか思いつかない、しかしぴったりと心にハマる表現が用いられています。


文中には柵(しがらみ)や吃驚(きっきょう)といった難解な単語も頻出しますが決して読みにくい文章ではなく、まさに『ワンセンテンスで分かる言葉選びのセンスの良さ』です。

6,000文字という文字数で読了しやすく、それでいてしっかりと文章に重みのある素晴らしい作品だと感じました。


物語を少しだけご紹介。

主人公の”クロアザミ”は苦しい毎日の中、ひとつの素晴らしい小説に出逢います。センスあふれる文章で描かれる美しく魅力的な少女の世界。”クロアザミ”は『空色のひよこ』、そして作者の”ツユコ”にどこまでも惹かれていきます。その賞賛はだんだんと熱を増し…


物語はひとつひとつ、”クロアザミ”の心境を追いかけながら進みます。小説が好きな方であればきっと、小説を書かれる方であればもっと、”クロアザミ”の気持ちがとてもよくわかるでしょう。しかし、いやだからこそ、そのエンディングに釘付けになること間違いなしです。


ということで今回はここまで。

作品が気になった方は文豪コロシアムへアクセス&SNSボタンよろしくお願いします!

誰もが文豪を目指し、作家自身が楽しみながら切磋琢磨ができる新しい小説投稿サイト≪文豪コロシアム≫では、あなたの作品・投票をお待ちしております。ぜひご参加ください!