【第2回「光と闇の跫(あしおと)」】
おもしろい小説を探し出すのって難しい。
でもおもしろい小説が、読みたい。
そんなあなたのために、≪文豪コロシアム≫からプロの作家が作品を選出してご紹介します!
今回は2024年10月月間コロシアムより「光と闇の跫(あしおと)」をPickUP!
惜しくも10月月間コロシアム2位となった本作品ですが、異彩を放っていることは間違いありません。
というのもこの作品はいわゆる歴史小説。キャッチーさとインパクトに傾倒しがちな昨今の作品流行の中で、このテーマを選ぶ並々ならぬこだわりと熱意を感じざるを得ません。
しかしもちろん、ジャンルの特異さだけがこの作品の見どころではありません。
まず"ジャンルの重さ"を感じさせない、すんなりと理解できる情景描写。第一話は「天文一九年(1550)正月。」から始める書き出しで、たった百数十文字の中に必要な情報が簡潔に書かれています。
「でもやっぱり前提知識がないと歴史小説を読むのって難しいんじゃないの?」
わかります。でも大丈夫。なぜなら登場人物の立場などの情報はすっきりと、それぞれの心境描写は大変丁寧に描写されているので、知らない言葉や人物が多くて読み進められないということはまず起こりません。
台詞には時代や地域に即した言葉が採用されているものの、地の文は現代的な文章で書かれており、読む手が止まるということはありません。
この時代に詳しいあなたでも何も知らないあなたでも、まったく同じように楽しむことができる”小説”としての完成度。『手ぶらでも楽しめる歴史小説』です。
そして何よりもお伝えしたいのは全体にしみわたっている歴史の流れの圧迫感です。
物語の舞台はまさに乱世。戦乱の”におい”が常に漂う激動の時代の中、人々は何を思い、どう生きたのか。物語を読むと大河ドラマを見ているかのような厚みのある"時代"を感じることができます。
ということで今回はここまで。
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